メタリカは初期のころからメタルファンの間では人気のバンドであり良曲も多かった。しかし4枚目のアルバム「メタルジャスティス」は問題作であった。変拍子の多用、大作指向(表題作は10分近くあった)など挑戦的で複雑な曲が並んだアルバムであった。
 「ヘヴィメタル史上最も偉大なアルバム」と絶賛する声がある一方、「観客の皆が浮かない顔をしていた」とリードギタリスト、カーク・ハメットは認めている。また、メンバー自身も曲の複雑なアレンジにうんざりしていたという。

 そして、劇的な変化を遂げた5作目のアルバム、通称「ブラックアルバム」が発表される。シンプルでコンパクトでキャッチーでありながらヘヴィさも失っていません。

▲演奏は0:47~
 そんなブラックアルバムの特徴を凝縮させているのがこの「Enter Sandman」である。今聴いても抜群にカッコいいのである。

 ブラックアルバムは発売初週に65万枚以上を売り上げ、全米だけで販売枚数が1600万枚を超えるなど、この四半世紀で最も売れたアルバムである。この売り上げはメタルファンだけで成し遂げられる数字ではないだろう。幅広い音楽ファンが支持したのである。


 こんなカッコイイ「Enter Sandman」であるがギターの難易度はそれほど高くない。気に入った方はぜひ挑戦してみて欲しい。