ギターを始めて最初にぶち当たる壁がFコードやBコードなどの
人差し指で5本,6本の弦をまとめて押さえるコードバレーコードといいます)を
押さえられないという壁ではないだろうか?
名称未設定#1
この記事ではバレーコードを押さえるためのコツを全力でまとめたいと思う!



コツ① フレットの近くを押さえる
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実はFコードに限らず弦を押さえる時はフレットのすぐ近くを押さえるのが鉄則なのである。

近くと遠くで何が違うのかちょっと実験してみよう。

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上の写真のようにフレットの近くを押弦してみよう。(どの弦の何フレットでもかまわない)
そしてその弦を鳴らして左手の指の力を(左利きの人は右手の指を)ゆっくりゆっくりと抜いてみよう。
音が途切れたその直前が弦を押さえるのに必要な力だ。思ったより少ない力で押さえられたのではないだろうか?

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次に2枚目の写真のようにフレットの遠くを押弦してみよう。
さっきと同じ要領でゆっくりと力を抜いてみよう。
さっきよりだいぶ早くに音が途切れたのではないだろうか?
つまりフレットから遠くを押さえるとより力が必要になってしまう、つまり押さえづらいのだ。
Fコードのように押さえづらいコードを弾くときは特に意識してフレット近くを押さえよう!


コツ② 指の腹ではなく斜め脇で押さえる
みんなはFコードを押さえるとき人差し指のどこで押弦しているだろう?
指の腹で押さえてないだろうか?
ちょっと自分の人差し指を触ってみよう。
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指の腹(上の写真の赤線部分)のあたりは関節がポコっと出っ張っているはず。
ここで押さえると凹んだ部分に当たる弦がしっかり押さえられないのだ。
そこで今度は指の腹ではなくちょっと脇の部分(上の写真の青線部分)を触ってみよう。
さっきよりだいぶ凸凹が少ないのではないかな?
ここで押さえた方が均等に力が入るはずだ。
後は実際にギターを持ってベストな位置を探ってみよう!

コツ③ 人差し指1本で全部の弦を押さえなくても良い
Fコードは人差し指で全部の弦を押さえられないとダメだと思ってないだろうか?
実際はよく見ると3〜5弦は他の指が押さえてるので1、2、6弦だけ人差し指で押さえれば良いのだ。
Fコード ダイアグラム#1
指板の両端に力を入れるイメージで押さえてみよう。

どうだろう?きれいに音が出ただろうか?


それでもダメならギターに調整を!

①弦をテンションの低いものに変える
弦のテンションが低いものほど押さえるのは容易になる。
基本的に弦は細いゲージほどテンションが低い
また同じ太さの弦でも弦の種類によってテンションは異なる。
最近流行りのコーティング弦は錆びにくくて便利だけどテンションは少し高めになるようだ。

「細い弦は音が悪くてダメ!」という人もいるが個人的にはそんなに悪いとは思わない。
それに一生その弦と付き合わなければいけないわけでもない。
初心者の時は細い弦で、慣れてきたらだんだん太い弦に換えて行ってみても良い。
ちょっと試してみて良くないなと感じたら次は別の弦にしても良いのだ。
気楽に試してみよう。

私のおすすめはアコースティックギターならダダリオのフォスファーブロンズだ。
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テンション低めでそのうえ音も綺麗だし、品質も安定している。
これの一番細いゲージ、エクストラライトゲージはかなり指は楽なはず。

エレキギターもダダリオでXLニッケルラウンドワウンドのエクストラ・スーパーライトがオススメ。
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どちらもド定番と言える弦で、多くのギターブランドが出荷時に張る弦に採用している。
それだけ品質を信頼しているということである。
安心してオススメできる。


裏ワザ…
アコースティックギターで一番細い弦を張ってもまだ指がキツイという場合、
アコギにエレキの弦を張ってしまうという裏ワザがある。
ただ正直言って音は良くないです。
生音で勝負するつもりが無い弦なので当然のことなのですが...
音を犠牲にしても押さえやすさをとるか、ですね。
エレキ弦は初心者時代限定にして、なれたらアコースティックギター用の弦に戻すことをオススメします。


②弦高を下げる
弦の高さは低めの方が少ない力で押さえられる
弦からフレットまでが遠いと押さえづらいのはなんとなくイメージできるだろう。
(※ただし下げすぎると弦がフレットに当たってビビリ音が出たり、音の伸びが悪くなったりするので加減が必要なのだ)

「でも自分のギターは新品で買ったやつだからバッチリ調整済みでしょ?」と思っているあなた、その考えは甘い
市販のギターはどんな人が弾くか分からないから、
ハードピッキングの人が弾いてもビビらないように弦高を高めにして売ってるものがほとんどなのだ。
だから一度チェックしてみた方が良いのです。

具体的にどれぐらいの高さが良いのかと言うと、12フレット頂点から弦まで
アコースティックギターなら 6弦で2.6mm、1弦で2.1mm
エレキギターなら 6弦で2.0mm、1弦で1.5mm
ぐらいが標準と言われてる。
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▲写真はHOSCO Step Gauge for Guitar

0.1mmでも違えば結構弾き心地が変わってくる。
標準より0.5mm高ければそれは弾きにくいギターと言っていい。
調整した方が良いだろう。

※弦高を低めにするにしても標準より0.2mm低いくらいが限度かと思われる。
使っているギターや弦、弾き方の癖などで変わってくるのでハッキリとは言えないのが難しいところである。

調整は専門家におまかせするのが確実なのですが、自分でも不可能ではないかもです。
(やり方は近いうちに記事を書こうと思います。)


それでもダメなら…

①指を鍛えてみる
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「ギターに力なんかいらないよ」というのが大半の意見かも知れない。
たぶん標準的な握力(というか指の力かな)の成人男性なら鍛える必要はないのかなと思う。ただ女性や子供、また力の弱い男性も少し鍛えた方が押さえやすくなるかもしれない。

自分は男だが学生時代の握力測定では左手は20kgに届かないほど非力であった。
それから握力を鍛えはじめて、いまではバレーコードが続く曲でも弾けるようになった。

鍛え方は簡単で、スポーツショップで売ってる握力を鍛えるアレを買っても良いし、ゴムボールをにぎにぎするだけでもよい。
楽器屋でも上の写真のようなのを売っている。(私もコレを愛用している)
※初めから張り切ってバネが強いものを使うと筋肉を傷める危険があるのでバネが弱いものを使ってください。それでも十分効果があります。

力が弱い人はやってみる価値はあるかもしれない。


②1、2本鳴らない弦があっても気にしない。
「なんだ急に投げやりになったなw」と思ったあなた、ちょっと最後まで聞いて欲しい。

やり方が分かっても実際にコツが掴めるまで時間がかかることもあるし、力が付くまで時間がかかるし、ギターだこができるにも時間が必要なのです。

ただFコードが押さえられるまで曲も弾かずに来る日も来る日もFコードの練習だけしてると飽きてギターが嫌いになってしまいます。

そこで1,2本鳴らない弦があっても「鳴ってる鳴ってる♪」と心に唱えながら好きな曲を練習するのです。

そのうち気付いたら本当にキレイにFが鳴るようになっているはずです。


それでも真面目な人はちゃんと音が鳴らない状態で曲を弾くことに抵抗があるだろうか?

私が高校生だった頃、休み時間にフォークソング部のクラスメイトが
「○○君もギター弾けるんだってね。ちょっと弾いてみて!」と話しかけてきた。
彼が差し出したギターからは切れた弦がぶら下がっていた
「えっ?」という顔を私がしていると
「1本切れちゃってるけどまだ5本もあるから」と満面の笑み。
私はその弦を使わずに弾けるフレーズを弾くも周りにいたクラスメイトは「ふーん」といった感じ。
しかしフォークソング部の彼が長渕剛を歌い、弾き始めると「ここはライブハウスか⁉」というほどの盛り上がりをみせた。かなりワイルドな弾き方でとにかくカッコよく、こうなるとギターからぶら下がっている切れた弦もカッコよく見えてくるから不思議である。
この出来事は私にとって大きなカルチャーショックであった。

ギターには6本も弦があるのだから1,2本弦が鳴ってなくたって大丈夫なのである。


それでもダメなら…代替フォームで

①グリップタイプのF
どうしても人差し指で1,2,6弦を同時に押さえられないなら、
下の写真のように親指で6弦を押さえ、人差し指で1,2弦を押さえる方法もある。
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このフォームは普通のFコードが押さえられない人のためのただの代用ではなく、このフォームじゃないと弾きにくいフレーズもあるのです。
(6弦を押さえたまま高音弦で開放弦を含むフレーズを弾く場合などこちらのフォームの方が弾きやす事があります。)

なので普通にバレーコードを弾ける人もこちらのフォームも練習することをオススメします。


②省略形F
6弦を親指で押さえる方法は手が大きい人じゃないとキツイし、クラシックギターのようにネックの幅が広いギターじゃ無理である。

そこで下の写真のように5,6弦を省略してしまう方法もある。
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「こんなのFコードじゃない!」と思った人もいるだろうか?
そもそもFコードとはF、A、C(ファ、ラ、ド)の三つの音でできた和音のことである。
上の写真の押さえ方は...
省略型Fコード
上の図のようにちゃーんとF,A,Cの音が入ってるので立派なFコードなのだ

標準的なFコードに比べて5,6弦が鳴ってない分、若干音が薄くなった感は否めないが、
「Fが押さえられないからこの曲弾けないな...」とあきらめてしまうよりも、ずっと良いであろう。


もっと大胆にシンプル化したものも紹介しておこう。
さっきは5,6弦を省略したが今度は1~4弦を省略してしまうのだ。
Fパワーコード
ご覧のように2つしか音がなく、A(ラ)の音が入ってないので
厳密にいえばこれはFコードとはいえない。
しかしロックやメタルの世界ではこれを5度コードまたはパワーコードと呼んで多用しているのだ。

ロックやメタルでパワーコードが定着した理由は諸説あるがトニー・アイオミ(ブラックサバス)がいなければこれほど定番にはならなかったかも知れない。
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▲トニー・アイオミ
トニー・アイオミは17歳の時、工場で働いている時に右手の中指と薬指の先を切断してしまう
左利きのトニーは右手で押弦するため一時はギターを弾くことを諦めかけていたという。
しかし、トニーは失った指先にプラスチック製の指サックを付けてギターの練習を再開する。
指の負担を減らすため弦を緩めて音程を下げてチューニングする方法(ダウンチューニング)を思いつく。そして容易に押さえることが出来るパワーコードを多用して傑作を次々と生み出していった。

▲代表曲の一つ、「IRON MAN」 0:28~の印象的なリフはパワーコードで弾かれている

現在ロック、メタルではダウンチューニングは定番になり、パワーコードも多く使われている。
トニー・アイオミはあきらめなかったおかげでギターを再び弾けるようになっただけでなく、多くの革新をもたらしヘヴィメタルの創始者と呼ばれるようになったのだ。


最後に
一番いけないのは、諦めてギターをやめてしまうこと。
Fコードが弾けなくても続けていればいつの間にか弾けるようになる時がきっと来る
どうしても弾けなければ他の道もある。
続けて弾いていればギターの面白さを実感できる時が必ずやって来ます